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解析事例・インタビュー

水谷電機工業株式会社 様
ヒートシンクの専業メーカー 独自の使いこなしを追求

あらゆる電子機器に必要とされる放熱機器。その専業メーカーである水谷電機工業では、放熱機器の熱解析にSTREAMを使用している。試作回数を減らし、開発のリードタイムを大幅に短縮。それに加えて水谷電機工業が目指すのは、自社の今までの経験を盛り込んだ独自のシミュレーションの使いこなしである。詳細について、水谷電機工業株式会社 技術センター 係長の渡邉陽介氏に話を聞いた。

水谷電機工業株式会社
技術センター 係長
渡邉 陽介氏

図1 水谷電機工業のヒートシンク製品

 水谷電機工業は放熱器専業としてトップメーカである。1967年に日本で初めてヒートシンクの製造を開始して以来、45年にわたり設計・熱解析・製造・販売までのすべてを行ってきた。産業機器分野などハイスペックが要求される用途においても信頼が厚い。1996年には海外で需要が増加することに対応するため、マレーシアに工場を設立。開発、解析は日本の開発技術グループが行っている。

 あらゆる電子機器や産業機械には、必ずと言っていいほど半導体が使われている。これらを安定的に稼働させるためには、ヒートシンクをはじめとする放熱機器が欠かせない。発生した熱を別の場所に逃がし、機器を過熱による故障から守る重要な部品だ。(図1)

 ヒートシンクは、基本的には発熱箇所に接触させて熱を受け取るブロックと、フィンと呼ばれる熱を空気中に放出するためのブロックに何枚も立てられた平たい板からなる。さらに放熱性を上げるためには、ファンによる強制空冷やポンプを使った水冷を行ったり、ヒートパイプを用いる。常温よりも低い温度が必要な場合はペルチェ素子など、さまざまなものが用途によって使い分けられる。
 

 ヒートシンクは通常、半溶融状態のアルミニウムを型から押し出すことによって形成される。ヒートシンクの性能は基本的に表面積の大きさによって決まる。従来は性能を上げるためには表面積を大きくさえすればよいという流れだった。しかし今は小型、軽量、高性能があらゆる用途においてキーワードになっている。装置の小型化のためにさまざまな部品を集約させたいというニーズがあるからだ。しかし従来の工法だと、これ以上フィンの間隔を狭くすることに限界があり、ユーザーの要求値に対応することが困難な場合があった。
 

 その場合に採用するのが、かしめによる方法だ。これは放熱体と接触する受熱ブロックとフィンを別に作り、受熱ブロックの溝にフィンを、圧力をかけて挟むという方法である。その際、同社では、根元のみを2つ折りにしてはぜ折りと呼ばれる方法でブロックの溝とフィンをかみ合わせる。2つ折りにするのは、アルミプレートをはめこむ溝の幅との密着性をより良好なものとするためである。もちろんヒートシンク自体にも軽量化の要求があるので、根本だけを2つ折りにすることで対応した。こうすることで、押出法の制約を気にせず軽量化の要求にも応えることに成功している。適切な厚さの板を入れてうまく圧力をかけないと隙間ができ、伝熱性が損なわれるため、この部分は入念にチェックを行うポイントだ。同社では「Jフィン<実用新案登録済み>」という製品を産業向けに10万台以上出荷している。

 ヒートシンクの用途や製造方法は多岐にわたるが、第一に心がけることは、「無駄のない最適設計」だと渡邉氏は言う。同社では環境への配慮および経済性への観点から、極力ヒートシンクに重要な表面積は維持したまま、小型かつ軽量で副資材の少ない設計を心がけているということだ。

 一人で一製品をしっかりと作り込む

 基本的に同社では1つの製品を1人で担当し、設計や熱解析を行う。1人につき同時並行で案件を数件担当し、年間で数十件もの熱解析をこなしているそうだ。受注開発製品のほうが標準品よりも比較的多いという。開発の概要としては、熱解析によって形状の作りこみをおこない、試作作製後に評価をおこなう。環境および経済性への配慮をおこなうため、一つの案件についても複数のパターンにて解析をおこない、ユーザーのニーズに即した形状提案をおこなっている。

操作性、事例の豊富さが決め手に


 STREAMを選んだ理由の一つは操作性の高さだという。かねてから操作性を重要事項と考えて解析ソフトを探していたところ、いくつかを操作してみた中で一番STREAMがしっくりきたそうだ。またソフトウェアクレイドルが主催するユーザーカンファレンスなどに出たところ、ユーザー事例がとても充実していた。ヒートシンクに関係する事例も多く、製品レベルで具体的な例を挙げながら紹介しているものが多い。「何か新しいことをやろうとしたときに、参考になるユーザー事例が豊富」なのだという。

※STREAMは、日本における株式会社ソフトウェアクレイドルの登録商標です。
※その他、本インタビュー記事に記載されている会社名、製品・サービス名は、各社の商標または登録商標です。
※本インタビュー記事の内容は2013年4月現在のもので、予告なしに変更する場合があります。また、誤植または図、写真の誤りについて弊社は一切の責任を負いません。  

プロフィール

 

水谷電機工業株式会社
設立 1967年
事業内容 半導体の放熱器製造販売
代表者 代表取締役 水谷 和夫
本社 東京都千代田区
従業員数 80名(2009年3月31日現在)
資本金 9,000万円

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