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お客様導入事例「水谷電機工業株式会社」

近年の電子機器の高性能化に伴い、必要不可欠となった放熱器の専業トップメーカーで、設計に「熱設計PAC」を利用している、水谷電機工業株式会社様にお話をお伺いしました。

解析事例
放熱性能を維持したまま重量を46%削減した
強制空冷用薄肉型ヒートシンク 『URフィン』 (写真右)

従来品

URフィン
インタビュー
水谷電機工業株式会社技術センター 係長 渡邉陽介 様に話を伺いました。
「熱設計PAC」が稼動する実験計測室のコンピュータ、解析によって設計値と実験値の整合性も高まったという。


クレイドル 本日はこのような貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
早速ですが、まずは御社が開発されている製品について少しお聞きしたいと思います。
近年の電子機器の高性能化によって、益々御社が開発されているような放熱器の需要が高くなっていると思いますが、実際の設計ではどのような課題が多いのでしょうか?

渡邉様 放熱の設計ですので、高い放熱性能を実現するのはもちろん、同時に小型化であったり、最近では原材料の量および輸送時のCO2排出を考慮した、軽量化なども重要なファクターになっています。またコストについても重要で、こちらは材料費ならびに加工に必要なコストも意識して設計しています。

クレイドル 設計の中でどの程度「熱設計PAC」を利用されるのでしょうか?

渡邉様 現在、1つの放熱器もしくは1つの案件で、フィンのピッチや厚み、外風の速さなどを変更し、おおよそ5〜10ケースの計算を行っています。計算時間は1ケース30分から1時間程度のものがほとんどで、ほぼ100%の稼働率です。

クレイドル 1つの案件で、5〜10ケースで1ケース30分から1時間ということは、モデル作成を含めても、1日から2日で1案件が終了する計算になりますが、それで稼働率が100%というと、相当数の案件や設計があるということですね。

渡邉様 その通りです。熱特性が分かっている既製品を利用する場合でも、発熱条件などが複雑で要求性能を満足するかどうかの判断が難しい時には、「熱設計PAC」で検証を行いますし、年間数十件あるカスタム製品の設計では、必ず解析を行っています。年々発熱密度が高くなる傾向がありますし、カスタム製品の需要も少なくないので、解析のニーズも更に高くなると予想しています。

クレイドル 計算される項目としては、流れと熱伝導と熱伝達でしょうか?

渡邉様 それ以外に放射も計算しています。表面処理による違いを反映させることと、特に自然空冷の場合には放射が占める割合が高くなりますので、必ず設定するようにしています。

クレイドル 放射計算では、放射率の値をどうするかが難しいと思いますが、どのような値を入力しているのでしょうか?

渡邉様 実験で得られた値を入力しています。弊社では「熱設計PAC」導入以前より、試作や実験を行っていたため、そこで得られたデータはできるだけ「熱設計PAC」に反映するようにしています。

クレイドル 実験のお話が出ましたが、解析結果と実験結果というのは一致するものなのでしょうか?

渡邉様 設計に必要な相関は取れています。多くの場合、「熱設計PAC」での結果は安全側の結果になります。実験という観点では、「熱設計PAC」導入前は、試作と実験を相当数繰り返していました。導入後は、設計段階でかなり詳細な放熱計算ができるようになったので、設計値と実験値を合わせやすくなりました。結果的に試作も減り、製品として完成するまでの期間も短くなっています。

クレイドル 試作数の削減や設計期間の短縮など、「熱設計PAC」の導入効果があり、弊社としてもうれしい限りですが、このほかに導入の効果というものはありましたか?

渡邉様 設計意図や性能を視覚的に表現できるというメリットがあります。また、先程も申し上げましたが、従来の手計算では、放熱経路が三次元になったり、インバータのような発熱制御があると、検討しきれない場合が多く、このような複雑な解析が比較的容易に検討できるようになったことが、最大の効果だと思います。

クレイドル 解析モデルを作って、計算、結果表示をもっと効率よくすると、更に効果が高くなると思いますが、そのような解析作業の効率化という点ではいかがですか?

渡邉様 確かに、短時間に多くの解析ができれば、効率は良くなりますが、ただ単にモデルを入力して結果を待っているというような、自動化のようなものは考えていません。
というのも、計算結果がOKかNGかだけを判断するのであればいいですが、私たちの仕事は、計算結果をもとに製品をどう改良していくか、何をしたら要求性能を満足するかを考えることですので、少なくともどのような条件で計算したか、実物と比較して条件がいいところ、悪いところなどを把握した上で、結果を検討する必要があります。実際には、解析にどのような条件を設定するかを意識しながら設計作業が進んでいます。
そのように常に熱を意識することで、製品設計のアイデアも生まれますし、解析結果を設計にフィードバックすることができるのだと考えています。
フィードバックという点では、解析モデルを単純にするということも重要です。複雑なモデルのまま解析した場合、当然結果は出ますが、そこから何を改良するのかを考えるのは大変です。これは解析だけではなく、実験計測でも同じことが言えます。

クレイドル なるほど、確かに結果だけ得られればいいというような考え方もありますが、それをフィードバックすることで製品の性能アップや設計プロセスの効率化が図れるということですね。
今ではお話のとおり、大変効果を挙げていらっしゃるわけですが、「熱設計PAC」を導入された経緯と導入されてからどのくらいで実設計に利用できるようになったをお聞かせいただけますか?

渡邉様 まず、三次元の熱流体解析ソフトを導入しようと計画し、「熱設計PAC」を含め幾つかのソフトウェアを検討しました。その中で、モデリングのしやすさ、条件の設定方法、放熱器に利用された実績、コストなどを総合的に判断し、そして何より国内で開発しているということで「熱設計PAC」を導入しました。
実務に利用したのは、おおよそ6ヶ月後です。導入後3ヶ月間はそれまでの実験結果との整合を確認していました。その後3ヶ月間テストケースとしていくつかの設計に利用し、作業プロセスを確認しました。

クレイドル 国内開発というところを評価いただいたのは大変光栄です。
最後に、今後の「熱設計PAC」に向けて、何かご要望とか、現在の作業で機能的に足りないなどございましたら、お教えください。

渡邉様 基本的に非常に満足しているのですが、敢えて挙げるとすると、「熱設計PAC」は直行格子ですので、斜めの面とかが表現できません。実は実験との合わせこみを突き詰めていくと、ここらへんがネックになってしまうことがあります。もちろん御社の「SCRYU/Tetra」のように斜面を表現できるソフトウェアにすればいいのですが、「熱設計PAC」の操作性は維持したいですし、悩ましいところです。
あとは、ペルチェのような特殊な放熱機構は条件設定が難しいので、何かモデル化ができればと思っています。

クレイドル 機能につきましては、適宜バージョンアップで解決できればと考えております。またお知恵を拝借することもあるかと思いますので、その時はよろしくお願いいたします。
本日は、貴重なお話、お時間いただきまして誠にありがとうございました。

関連リンク
   ・水谷電機工業株式会社 http://www.mizuden.co.jp/

【リーフレット】
エコヒートシンク 〜軽量化による環境負荷の低減〜
(PDF:2.08MB)
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