【国内初】ホログラフィックコンピュータを用いた気流シミュレーション可視化手法の開発 ~目の前の現実世界に気流シミュレーション結果を重ねて確認~

株式会社ソフトウェアクレイドル(本社:大阪市北区、代表取締役社長:久芳 将之、以下クレイドル)は、数値流体解析による気流シミュレーション(以下、CFD)の結果を、装着式ホログラフィックコンピュータ「Microsoft HoloLens(以下、HoloLens(ホロレンズ))」を利用したMR(複合現実)*1)技術により可視化するシステムを開発しました。本技術は、新菱冷熱工業株式会社(以下、新菱冷熱工業)との共同開発です。
クレイドルではこれまでに「Oculus Rift*2)」を利用したVR*3)技術によるCFD結果の可視化システムを開発しており、このシステムは第三者への設計提案、課題抽出、および改善案検討を行うなど様々な場面で活用されています。一方で、第三者とのCFD結果の共有をより理解しやすく、イメージの相違なく伝える手法として、MR技術による可視化の要望も多く、現実世界に仮想空間を融合可能なMRデバイスであり、かつウェアラブル端末単独で稼働するため機動性がよいHoloLensに着目し、新菱冷熱工業と共同で開発を行いました(図-1参照)。
図-1 VRでの可視化(左)とMRでの可視化(右)
なお、HoloLensは、日本マイクロソフトが2017年1月から国内の法人と開発者向けに提供を開始した、Windows10を搭載した世界初の自己完結型ヘッドマウントディスプレイ方式のホログラフィックコンピュータです。現実の世界と3Dのホログラムの世界を融合させてMRを実現した新しいデバイスです (図-2参照) 。
図-2 Microsoft HololLens
HoloLensを用いたCFD可視化の確認として、つくば市にある新菱冷熱工業の中央研究所内施設にて、制気口から吹き出す気流の可視化を可能としました (図-3参照) 。
これによりCFD気流解析による風の流れを、現実の室内空間で視覚として確認できるため、解析結果を、より効率的で正確に、第三者と共有することが可能になります。
図-3 HoloLensからみた可視化イメージ
本システムは、外部パソコンへの接続が不要なため、HoloLensを装着したまま室内空間を自由に動き回り、任意のポイントの気流を確認することができます。また、データやデバイスの持ち運びも容易なため、CFDの解析結果があれば、あらゆる場所でCFDの可視化が可能です。その上、CFDの結果をMR用に作りこむ手間がないため、CFD技術者であれば誰もが使うことができるであろう、活用しやすいシステムです。
なお、本システムは新菱冷熱工業様向けの個別開発機能であり、弊社製品の標準機能ではありません。
*1) MR(Mixed Reality)CGなどで作られた人工的な仮想世界に現実世界の情報を取り込み、現実世界と仮想環境を融合させた世界を作る技術。デジタルコンテンツが現実世界に組み込まれたように表示する
*2) Oculus Riftは、米Oculus VR社が開発したバーチャルリアリティ用ヘッドマウントディスプレイ
*3) VR(Virtual Reality(バーチャルリアリティ))コンピュータ上に人工的な環境を作り出し、あたかもそこにいるかのような感覚を体験できる技術
・株式会社ソフトウェアクレイドルについては www.cradle.co.jp をご覧ください。
・新菱冷熱工業株式会社については https://www.shinryo.com/ をご覧ください。
株式会社ソフトウェアクレイドル について
株式会社ソフトウェアクレイドル(英称:Software Cradle Co., Ltd.)は、熱流体解析分野におけるCFD(数値流体力学)ソフトウェアソリューションのパイオニアとして1984年の創業以来、製品の品質や価値、創造性、革新性に的を絞ったユニークかつ信頼性の高いソリューションの提供をし続けています。
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