解析してみました「サーキュレーターで暖房効果をアップ! ベストな置き場所は意外なあそこ!?」01

【出典元】本コンテンツはマイナビニュース2015年1月27日に掲載されたものです。
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室内を効果的に暖めるには? 流体解析ソフトで解き明かす!
年も明けて冬本番! この記事が公開される頃にはたぶん、寒さのピークを迎えているんじゃないかと思いますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。僕としましては、とりあえずエアコンはMAX。さらに室内でもダウン着用という完全防寒態勢で臨んでいるわけですが、どうにも寒さが解消されません。特に足元がいつも冷えている気がするんですよね……。
それでふと思ったのですが、ひょっとして、エアコンの温風がちゃんと部屋全体に行き渡っていないのではないでしょうか。うん、それはありえるぞ。
それなら、と購入したのがサーキュレーターです。要するに扇風機みたいなものですが、これを部屋の中で回すことで、エアコンの風を撹拌し、隅々まで行き渡らせようという作戦です。
でもちょっと待って。
サーキュレーターを部屋のどの位置に、どの方向に向けて設置するのがもっとも効果的なのでしょうか。普通に考えればエアコンの風が降りてくる真下かなと思うのですが、逆にエアコンとは逆サイドで回した方が部屋全体に風を早く送れそうな気もします。
……頭で考えてもらちがあかないので、ここは専門家に教えてもらうことにしましょう!
熱流体解析を行うソフトウェアを開発している、ソフトウェアクレイドルさんに今回、特別にソフトウェアを利用してシミュレーションしていただきました。
ずばり、「エアコンとサーキュレーターの位置関係で、風の流れと室温の上がり方がどう変わるのか」です!
検討するモデルとしては、一般的なマンションのリビングダイニング(LDK)を想定。季節は冬で、屋外の温度は0℃とします。住戸内に発熱するものはなく、隣室や上下階には熱が逃げません。ごく一般的な部屋の条件ですね。
エアコンの暖房能力は2.8kWの普通の家庭用。吹出しの最高温度は35℃。サーキュレーターも、一般的なものを想定して計算していただきました。なお、エアコンの風は下へ向かって吹くものとします。
シミュレーションしたのは次の4パターン。
Case1.サーキュレーターを置かない場合
Case2.エアコンからもっとも離れた壁際に置いて、真上に向かって風を送る場合
Case3.エアコンの真下に置いて、真上に向かって風を送る場合
Case4.エアコンの真下に置いて、壁に向かって風を送る場合
さて、結果はどうなったのか。
Case1. サーキュレーターを置かない場合
Case2. エアコンからもっとも離れた壁際に置いて、真上に向かって風を送る場合
Case3. エアコンの真下に置いて、真上に向かって風を送る場合
Case4. エアコンの真下に置いて、壁に向かって風を送る場合
居住域温度
室内温度
結論からいうと、もっとも室温が上がったのは、"サーキュレーターをエアコンの真下に置いて、壁に向かって風を送った場合"でした。サーキュレーターを置かない場合と比較して、平均室温は3.5℃も上がっており、背の高さくらいまでの居住域の室温もやはり3.7℃上昇しています。
サーキュレーターを使わないパターンの温度分布図を見るとわかりますが、暖かい空気は高いところに滞留するという特性があり、何もしないと天井付近をぐるぐるしているだけ。これに風を当てて撹拌してやることで、部屋の下の方(居住域)も暖かくなるわけですが、壁に風を当てるのがもっとも効果的というのはちょっと意外でした。
エアコンのそばに置けばいいのなら、真上に向かって吹かせるのでも良さそうですが、こちらはほぼ同等ながらも、平均室温がわずかにダウン。風の動き方を見ると、サーキュレーターから遠い箇所での風の動きが鈍っているようです。
Case1. サーキュレーターを置かない場合
Case2. エアコンからもっとも離れた壁際に置いて、真上に向かって風を送る場合
Case3. エアコンの真下に置いて、真上に向かって風を送る場合
Case4. エアコンの真下に置いて、壁に向かって風を送る場合
やはり、壁に向けて吹かせるというのがポイントでしょうか。
ちなみに、エアコンからもっとも遠い部屋の隅に設置した場合は、サーキュレーターの上の冷たい空気を動かすだけで、エアコンの温風までは届かず、効果が薄いようです。サーキュレーターなしと変わらないという残念な結果になってしまいました。
シミュレーションとしてははっきり結論が出たわけですが、果たしてこれは本当なのでしょうか? 僕は疑り深いので、実際に自分の体で経験しないと信じられません。
ということで、シミュレーション結果をもとに、実際に実験してみることにしました!
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