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建築デザイナー必見!ビル風コラム 第17回:IoT技術を駆使したリアルタイム風環境予測

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建築デザイナー必見!ビル風コラム

17.1 リアルタイム風環境予測とは

 ビル風・風環境・風害の問題を解決するには、兎にも角にもみなさんに風について知ってもらうことが重要だと考えます。見えない風を見えるようにする。読めない風を読めるようにする。それを実現するための方程式はそれほど難しいものではありません。
 従来はコスト面で高いハードルが有りました。ところが近年は高性能コンピューター・風速風圧センサー・インターネット利用環境等の低価格化が急速に進み、コスト面のハードルはほぼ無くなったと言えるでしょう。今まで見えなかった風が、いつでもどこでも誰にでも見えるようになり、風に関わる様々な問題や課題が浮き彫りになれば、うやむやになりがちであった風環境問題は大きく動いていくと思います。

 そこで、今回はIoT技術を駆使して実現する「リアルタイム風環境予測」についてご紹介したいと思います。

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CFD解析   風観測   インターネット
     

 CFD解析風観測インターネットの融合により、人やモノが簡単に過去、現在、未来の風の流れ&風圧分布を見ることができるようになります。では、リアルタイムな風環境予測を実現することで、実際に何ができるでしょうか?

 例えば、部屋の窓近傍での風を知ることができれば、制御信号を送って窓の自動開閉なども可能になります。そうすることで、自然換気や通風を利用して、エアコンなども使用せずに、より快適な空間の演出ができると思います。 また、ビル風による強風を避けるルートを選択することができるようにもなります。特に、雨の日などは、風が強いと傘の意味があまりなくなるので、みなさんもできれば強風エリアを回避して目的地まで行きたいと思うのではないでしょうか(図1)。


風環境問題への対応:従来と将来に比較イメージ
図1 自然通風制御信号と突風回避情報の例


 その他にも、突然の横風で自動車が煽られたという経験があると思います。事前に予測できれば、自動車の制御でそのような影響を排除して、快適な運転環境をドライバーに提供することができるようになります(図2、3)。


風環境問題への対応:従来と将来に比較イメージ
図2 局所突風警報のイメージ


風環境問題への対応:従来と将来に比較イメージ
図3 風圧分析情報のイメージ


 また、最近話題を欠かない、ドローンにおいても、自動運転による配達など今後様々なサービスとの連携も予想されますが、全自動であれば外因による対応は必要最低限の機能として必要になります。風を受けた場合の影響を予測し、安全ルートを自動探索するなど、リアルタイムでの対応をするためにもこの技術が利用できるのではないでしょうか(図4)。


風環境問題への対応:従来と将来に比較イメージ
図4 ドローンへの安全ルート指示の例


 このほかにも様々なニーズがあると思いますが、みなさんも是非、より自由な発想でこの技術をどう有効活用できるかを想像してもらえたらと思います。

17.2 まとめ

 今回は弊社の考える「風環境デザイン」を実現するためにIoT技術を駆使してできる「リアルタイム風環境予測」の可能性についてご紹介しました。風環境予測の利活用の可能性は広範であり、近い将来、人々の生活に様々な形であたり前のように利用されていくでしょう。次回はいよいよ本コラム最終回となります。





著者プロフィール
松山 哲雄 | 1973年1月 新潟県生まれ
⽇本⼤学⽣産⼯学部 建築⼯学科 耐⾵⼯学専攻

1998 年に熊⾕組⼊社。技術研究所にて、⾵⼯学の基礎研究に従事。超⾼層建物の空⼒振動シミュレーション技術の開発やCFD 解析による⾵環境評価技術の普及展開等を実施。2003 年に独⽴し、WindStyle を設⽴。CFD 解析や⾵洞実験および実測調査を通して、ビル⾵問題を中⼼に⾵⼯学に関わる様々な問題を解決するためのコンサルティングサービスを展開し、現在に⾄る。 

 

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