もっと知りたい! 熱流体解析の基礎02 第1章 熱流体解析とは:1.1 流れが関わる現象

1.1 流れが関わる現象
常温における空気や水は、明確な形を持たずに流れるという性質を持っています。このように流れる性質を持っているものを総称して 流体 といいます。地球上には空気や水に代表される様々な流体が存在しているため、身の回りで観察される多くの現象に流体の流れが関係しています。
図1.1 空気や水の流れ
自動車や航空機では、車体や機体の周りを空気がどのように流れるかということが性能に大きく影響します。また、都市開発では快適な街づくりのために、通風や強風の抑制などが重要な目標になります。
図1.2 流れ
電子機器では、部品の 温度 が高くなりすぎないことが必要です。 熱 はどのように部品を伝わるのか、どのように空気を流すと効率的に部品を冷やせるのか、これらを把握することが大きな課題となります。
図1.3 熱と流れ
流れによって運ばれるものは熱だけではありません。例えば、工場から排出された煙が風によってどのように運ばれるかということも、流れが関係する現象の一つです。
図1.4 流れと物質輸送
このように流れや熱の移動は、私たちの生活と密接に関係しています。これらの現象を理解することが製品の設計や快適な環境づくりのために必要不可欠となっています。

著者プロフィール
上山 篤史 | 1983年9月 兵庫県生まれ
大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程修了
博士(工学)
学生時代は流体・構造連成問題に対する計算手法の研究に従事。入社後は、ソフトウェアクレイドル技術部コンサルティングエンジニアとして、既存ユーザーの技術サポートやセミナー、トレーニング業務などを担当。執筆したコラムに「流体解析の基礎講座」がある。
最後までお読みいただきありがとうございます。ご意見、ご要望などございましたら、下記にご入力ください