熱設計PAC

電子機器筐体、放熱部品の熱解析専用パッケージ
熱汎用ソフトウェアであるSTREAMが持つ簡便性や安定性を生かし、特に電気電子分野の熱解析をターゲットにした専用ソフトウェアとなっています。 STREAMと共通の操作を実現しながらも、メニューを簡素化し分かりやすくしたほか、計算用のデフォルトも電気分野に最適な数値に変更しています。
微小な曲面や斜面を忠実に再現しなくても全体の流れを検討できる対象物において、最大のパフォーマンスを発揮することができ、省メモリで高速演算できることなど、実績のあるSTREAMと共通のエンジンとなっています。
主な機能

大規模計算
直交構造格子を採用することで、複雑なモデルであってもモデル修正の必要がほとんどなく、メッシュ分割の難易度がモデル形状や規模に左右されることがありません。また、並列処理による高速演算が可能で、並列数に応じて計算速度が向上する効率の高いソルバーになっています。

マルチブロック
部分的なメッシュ細分化により、高い形状再現性と計算効率向上が期待できます。

部品ライブラリ
頻繁に利用する部品の設置位置、材質、発熱量など、形状と条件の登録が可能です。

HeatPathView
通常の熱流体解析の結果処理では、各部品の温度やマクロな放熱量は捉えることができますが、その情報だけでは放熱経路は分かりません。
HeatPathViewは、解析対象全体の熱の移動経路と移動量を経路図やグラフ、表などで表示することができ、放熱経路のボトルネックなども容易に発見できるツールです。

ElectronicPartsMaker
QFP、SOP、BGAなどの半導体パッケージをパラメータ指定にて詳細形状で作成したり、DELPHIモデル、2抵抗モデルなどの熱抵抗モデルで簡易モデルとして作成が可能です。半導体パッケージメーカーが内部の情報を開示せずに熱抵抗モデルとして利用者に提供できます。

配線パターン読み込み
プリント配線基板の配線パターンによる伝熱条件を詳細に計算するため、電気CADが出力するガーバーデータを読み込み、熱流体解析のモデルとしてインポートすることができます。ガーバーデータを利用することにより、配線の偏りによる伝熱の影響などを考慮した、より詳細な解析が可能です。

輻射
拡散・反射・透過・屈折・吸収を考慮した輻射熱が解析できます。VF(形態係数)法もしくはフラックス法*1が利用できます。また、ランプ機能を使うことで、ランプの詳細な形状が無くてもフィラメントによる輻射熱を模擬することもできます。熱源モデルはフィラメント以外にもレーザー光や半値角を指定した指向性のある放射等が選択可能です。
*1 STREAMのみの機能になります。

実測データを使った構造関数の算出
過渡熱抵抗測定*2で使用する時系列温度データを構造関数(熱抵抗-熱容量特性)に変換して、電子デバイスのモデル化を行うことが可能です。実測データと解析データを構造関数ベースで比較することで高精度な熱モデルの作成が可能になります。
*2 測定装置は本ソフトウェアに含まれません

電子部品モデル
DELPHIモデル(多抵抗熱回路網モデル)をはじめ、ペルチェ、ヒートパイプ、ヒートシンクに加え、圧力損失特性を考慮したスリットパンチング、P-Q特性や旋回成分などを考慮したファンモデルなど、電子基板および電子機器筐体の熱設計を簡便に作成するための各種モデルを用意しています。また作成したモデルはライブラリとして登録することが可能です。

パネル(伝熱・移動・熱移送)
モデル上、厚みのないパネルに材質や移動条件を付与することで、別の部品への熱伝導や、空気への放熱などを考慮する事ができます。プリンター送紙やフィルムの乾燥工程のように薄いものが移動し、その過程で加熱・吸熱を繰り返すような現象を再現することができます。
※移動・熱移送はSTREAMのみ