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拡散

拡散とは、異なる物質が混在している場合に、物質が移動して広がる現象です。例えば、流体中に拡散する物質の濃度変化が十分小さい場合には、その物質は流れに影響を及ぼさないものとして考え、パッシブスカラーと呼びます。パッシブスカラーは流体中で移流・拡散されますので物性値として拡散係数を設定します。その他の物性値は設定する必要はありません。
また、流体を混合物として設定する必要もありません。

壁際にアロマディフューザーを置いたワンルーム

図1 壁際にアロマディフューザーを置いたワンルーム

解析事例として、図1のように壁際にアロマディフューザーを置いたワンルームを考え、アロマオイル拡散解析を示します。図2はディフューザー近傍の要素(メッシュ)分布です。解析領域の総要素数は約42万です。アロマオイルはパッシブスカラーとして考え、拡散係数は10-4 m2/s です。また、ディフューザーからの流量は300 mL/h です。

 メッシュ分布

図2 メッシュ分布

今回は実時間で1h(3600s)の非定常解析を実施します。このような場合、計算時間短縮のためにリスタート計算を行います。図3のように0sから60sまでは時間刻み 0.01s、60sから3600sまでは時間刻み1sとします。リスタート計算後は流れは一定として、拡散のみ解きます。このようなリスタート計算により計算時間を1000倍以上も短縮することができます。

非定常解析

図3 非定常解析

図4は 60s までのディフューザー近傍の速度ベクトルとアロマオイル濃度(1 ppm)のボリュームレンダリングの時間変化です(30倍速で動画作成)。60s後に流れは一定になっていることがわかります。また,アロマオイルがディフューザー周囲に拡散していく様子がわかります。図5は1 h までのワンルーム内のアロマオイル濃度(1 ppm)のボリュームレンダリングの時間変化です(600倍速で動画作成)。1 h後には部屋全体にアロマオイルが拡散していることがわかります。

図4 アロマオイルの拡散解析(1)

図5 アロマオイルの拡散解析(2)

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