Unlimitedライセンス(ソルバー)
大規模なメッシュを要する解析や、サイクル数が多くなる非定常解析に取り組む際、
ソルバーで計算する時間が膨大となります。
その計算時間を短縮化する方法として複数コアによる並列処理が挙げられますが、
使用できるコア数がライセンスによって制限されていました。
Unlimitedライセンス(有償)では、コアを無制限に並列処理することができるため、
計算時間の大幅な短縮に貢献することが期待できます。

図1 軸流ファンの解析
scFLOWは、並列数が増えるごとに並列効率(倍率)が上がり続けることが特長の1つです。
車両空力解析の場合、72並列で54倍、144並列で113倍、288並列で210倍と一定の倍率で伸び続けます。シロッコファンの流れ解析の場合も、72並列で52倍、144並列で105倍、288並列で184倍と並列数が増えるごとに倍率が伸び続けていることが分かります。
並列効率はメッシュ数が多くなることで更に増すことが期待されます。そのため、大規模メッシュを要する解析に取り組む際に、Unlimitedライセンスを用いて多並列計算に取り組む魅力は絶大です。
図2 バブルリングの解析(非定常解析、自由表面)
[左:約17万要素、右:約554万要素]
Unlimitedライセンスを用いることで短い時間で高精度の結果をえることが可能です
最後にUnlimitedライセンスで取り組むことでメリットの高い解析事例をご紹介します。
図2はバブルリングの解析例です。バブルリングの解析です。自由表面機能を用いた非定常解析です。本動画では、固相率0.5の界面を映しています。解析条件は左右共に同じで、メッシュのみが異なります。(左の動画:約17万要素で、右の動画:約554万要素)
違いは動画を見ると明らかです。実時間1秒後の結果を見比べると、左の動画では気泡が消えてしまいますが、右の動画では気泡がさらに細かくなっていることが確認できます。(ちなみに気泡が消えている様に見えてしまうのは、メッシュが粗いために1メッシュにおける固相率が平均化されて0.5以下となってしまうためです。)
このようにメッシュを細分化して解析に取り組むことで小さい渦を可視化分析でき、高い精度の結果を得ることができます。上記バブルリングの解析は「どこに界面ができるかわからない」ため、空間全体に細かいメッシュを配置する必要があります。
しかし、空間全体に細かいメッシュを配置するとメッシュが大規模となり、計算時間が膨大となります。ユーザーの多くは、たとえば「午前中に条件を考え、昼休みなどの休憩時間に複数ケースの計算を走らせ、午後に結果を見比べて仕様検討を行う」といった工程で流体解析に取り組みます。上記のバブルリングの解析は、ともに約30分間計算を流したものです。違いは、解析で用いた並列数です。左の動画は2並列、右の動画は96並列で取り組みました。
以上のように、Unlimitedライセンスを用いることで、短い時間で高精度の結果をえることが可能となります。